fuji-pat(藤松特許事務所)のブログ的知財

アイデア、発明、デザイン、ロゴなどの知的財産について、ブログネタ的に語ります。

特許

知的財産の種類・費用等について

知的財産の種類・費用等について

特許事務所に相談・ご利用される企業、事業主、起業者様に、権利・保護される知的財産について、
その種類と、保護される権利内容の区別、手続き、費用、審査期間・権利保護期間等の違いが、よくわからないので、教えて欲しいとのご要望をよく耳にします。

そこで、特に、特許庁へ申請・出願、登録等の手続きをする特許、実用新案、意匠、商標の区分について、上記内容を一覧表にしたものをアップしますので、ご参考にして下さい。


知財手続き内容・費用概要
 *画像をクリックすれば、拡大されます。

以上

一つの物を極めることby卓上カレンダー

一つの物を極めることby卓上カレンダー

今年は、特許事務所という職業柄もあり、来年度のカレンダーに、下記の特許を取得された技術を卓上カレンダーに使用している物をある程度の数量分を発注して、購入しました。
下記の画像がその卓上カレンダーで、特許に関する技術の部分は、紙製の綴じ込み部分(ペーパーリング)です。

弊所の今まで購入していた卓上カレンダーは、金属製の綴じ込み金具のものでした。
その際に、使い終わりに、金属部分の綴じ込み金具を残りのカレンダー部分から引きちぎり、廃棄していたのを思い出します。

下記のようなカレンダーであれば、環境にやさしいオール紙製の卓上カレンダーということになります。

◎購入した卓上カレンダーの一部画像(特許関連の製品)

IMG_20161106_123236

 

なお、上記の卓上カレンダーの関連特許は、以下の特許公報に公示されたものです。

◎特許第4528822号公報から図を引用して記載

卓上カレンダーの特許技術


「一端側に略帯状の余地を残して他端側を略櫛歯状にカットした積層用紙を、筒状に湾曲して
複数の連なるリング形状部を備えるように形成する、紙製綴じ具であって、
 前記積層用紙は、前記リング形状部の外周面となる外側紙と前記リング形状部の内周面となる内側紙との2枚の紙葉を積層して構成され、
 前記外側紙と前記内側紙との間に接着層を有し、
 前記略櫛歯状の他端側の先端部における前記内側紙が除去されることにより、前記略櫛歯状の他端側の先端部において前記接着層が露出し、
 前記略帯状の一端側における前記内側紙に前記露出した接着層を接着させて、前記リング形状部を形成する、紙製綴じ具。」

という特許請求の範囲の記載です。 
特許請求の範囲とは、 特許権の権利範囲を定めるための文章です。

一般の方が読むと、 よく、わかり難い文章ですが、この特許業界にいる職業の方は、このような特許法等の知的財産分野の法解釈・判例等に絡む分野において、このような文章で権利化できるように訓練・経験されています。

ちなみに、弁理士という職業は、このような形式の文章で、依頼人の特許権や実用新案権などの権利化のための出願、審査・審判対応等で委任代理業務にて、書類を作成し、また、技術的なもの・要素をいかに、図面化し、また、文章化するかを考えています。

このように、日常利用しているような身近な物でも、一つの物を極めるようなアイデア、技術が特許と成ることがありますので、お近くの特許事務所に相談してみるのもよいと思います。

以上 





 

アイデアを図面化することが、特許・実案・意匠の権利化への道

アイデアを図面化することが、特許・実案・意匠の権利化への道


・材料・素材の組成、化学工程など以外のアイデア、製品、技術については、まず、相談者の頭のなかにある構想・考えをラフ図面レベルで、描いて頂きます。

というのは、
・意匠は、物品の外観の形状(デザイン性)に関する知的財産権なので、当然、出願申請書類には図面が必須です。

・では、特許、実用新案に関する知的財産権の出願申請書類について、図面が必要なのかとえ言えば、法律上では、特許については必須ではなく、実用新案では必須ですが、材料・素材の組成、化学工程など以外のアイデア、製品、技術については、特許も必須です。

・出願申請書類において、弁理士が作成するこれらの権利を特定するための特許請求の範囲や、実用新案登録請求の範囲などは、図面と対応するような、そのアイデアの構成や、構造、仕組みなどを上位概念~下位概念の範囲での概念化させる文章作成を行います。


・極論ですが、ほぼこの図面・文書作業で、権利化の方向性の70~80%は決定すると考えてよいでしょう。
 そして、これらの権利化を主張するものが、従来のもの、製品、技術などと、どのような点が相違し、どのような効果(メリット)があるかを、出願書類のなかの特許請求の範囲や実用新案登録請求の範囲以外の文章中に、論理的に説明していきます。
 些細な効果でも、記載しないよりは、記載した方がよいので、発明者が考えてもいないようなメリットなどを、弁理士は拾い上げていきます。

これらを、明細書を見ようみまねで作成して相談にこられる方が、時折おりますが、ほぼ、この特許事務所業界水準から見ると、ほぼやり直し水準レベルだという感想です。
(大体、一部修正ではなく、一から作成し直したいという感想です)

以上


 

ビジネスモデルを守るには

ビジネスモデルを守るには

現在の社会では、ITが普及し、いろいろなサービス提供や、商品販売・商品管理、データ集計・管理 などの業務において、ソフトウェアツールを、インターネット・通信インフラなどを介して、ありとあらゆる業界で利用しています。

(事例)
ビジネスモデルとは、いわずとも、何らかの定型業務・サービス業務などを、自社が開発・設計したシステム・アイデアをもとに、社内エンジニアや、外注業者などに、実際にコンピュータ・スマートホンなどの装置上で、動作させるプログラムを製作させることがあります。

(問題点)
ここで、よく問題となることが、最近、世の中のニュースでも、また、我々の相談などでもよく耳にすることがあります。

・他社のHP上で提供しているサービスが、自社の開発して提供しているサービス(サーバプログラムなどで提供)に類似している。明らかに、自社の開発したサービスを真似たものだが、何とかならないか!

・以前、その会社にいた従業員が、他社に転職し又は自分で起業した会社などで、退職前に携わっていた開発プログラムなどを流用していることが判明した。


(知的財産としての保護方法は)
・特許で保護

これらのプログラムの思想としての業務アイデア・ビジネスモデルなどを、世の中に公にする前に、特許出願し、特許権として権利化して保護する。
まず、第一に特許を取得した方がよいかと(特許となるような新規性、進歩性などが有りそうなレベルであれば)、特許の保護範囲が同一のプログラムそのものだけでなく、業務アイデア・ビジネスモデルとして、類似性が有るものまでが保護範囲になるからです。
 つまり、単に製作したプログラムをそっくりそのままコピー盗用した場合だけでなく、仮に他社が自力で開発したものであっても、原則、その他社の特許権侵害として訴えることができます。

<ハードル>
・特許出願をして特許庁での審査を経て、特許性が認めなれなければ、特許権を取得できない。
・世の中で公知にしてしまうと(HPページや展示会・販売など)、特許として新規性無しとして登録できない。但し、公知にした日から6か月以内に特許出願すればその公知行為に対しては新規性を失わないとする救済規定を原則受けられる。


・著作権で保護
対象の業務アイデア・ビジネスモデルなどを特許権として、保護されていない場合、
例えば、開発したプログラム一式をCDやメモリ媒体に不正にコピーされて盗用・流用などされた事実などが立証可能ならば、著作権侵害で訴えることができます。
(なお、起動時などに著作権の所有に関するメニューや表示などがあれば立証は容易ですが)

著作権として公的機関に登録するかしないかに関わらず、保護可能です。
(裏を返せば、どちらが先に製作し盗用したか、または、たまたまどちらの会社も独立に製作したかなどの証拠などを裁判で立証が必要です。よく、音楽の作詞や作曲の著作権侵害でも裁判例があるような事例と似ています)

また、製作したプログラムについて、例え元社員がプログラム設計に関わっていたとしても、会社の業務上で製作されたものであれば、そのプログラムは職務著作という著作権法の法要件に基づき、雇用していた会社に著作権が帰属します。
ただし、気をつけていただきのは、外注業者に依頼をした場合、単純に発注元に著作権が帰属するとは言えない場合があります(そのようなことを避けるために、依頼前に契約を取り交わしておきましょう)。

一方で、元社員や外注業者が漏洩ルートなどで、全く同一のプログラムでなく、全体的な処理機能が類似している場合には、著作権侵害の立証が非常に困難となります(いろいろな裁判例があります)。

・不正競争防止法で保護
営業秘密(技術情報なども含む)として、その会社がしっかりと管理していた場合(不正アクセス・アクセス権限を厳重管理などをしっかり会社としてしているか)、不正に持ち出されたことが立証できれば(監視カメラ・サーバ履歴などのアクセス履歴等々)、不正競争防止法で訴えることができます。しかし、これは、裁判としても、時間と労力とお金が多大にかかり、中小企業の対策としてはハードルが高いものです。


(中小企業でもできる知財戦略)
・重要なアイデア・ビジネスモデルなどは、できるかぎり特許権として保護する。

・外注業者などに、システム製作を依頼する場合に、特許出願、著作権なども十分考慮した、後々トラブルとならないように予めきちんとした業務契約・知的財産などに関する契約書も交わしておくこと。

・大事なサービス名・商品名、それらに関するロゴマークなどは、商標権を取得しておくこと。
サービス名・商品名・ロゴマークなどに便乗する、他社の安易な模倣を防ぐことはできます。


このような知的財産の問題に関して、当特許事務所(FUJI-PAT)では無料相談を受け付けていますので、お気軽にお申しつけください。

以上






 

中小企業の知的財産への取り組み方針について

中小企業の知的財産への取り組み方針について

中小企業の経営者の方々向けに、相談や講演等を依頼されるときに、
アイデア、商品・サービス開発、技術・研究開発等を、如何に知的財産として保護したらよいかと問われる時がよくあります。

そういう場合には、まず、抽象的ですが、「長期的に(当方としても、短期的にすぐに効果を挙げたいのは十分承知はしておりますが)、継続は力なりとお考えください」というような趣旨で、アドバイスさせて頂いております。

その理由として、
1)知的財産の調査の重要性
例えば、特許・実用新案・意匠などの知的財産の権利を取得するためには、世の中に既にある先行するアイデア・技術、デザインなどを調査して、自社のそれらに対して、権利化可能性や、権利化望む範囲を見極めるように、アンテナを張り巡らせておく必要があります。
 また、新たに販売・生産する商品・サービス、製品が、第三者の知的財産権の権利範囲でないか等の侵害可能性の調査も重要です。


2)定期的な知的財産の見直し
また、権利化が出来たとしても、その権利に関わるものが常に利益を生むとは限りません。
その権利に係る商品や製品等が市場に望まれるものか、その市場で必須のアイデア・技術・デザインとなるか、または、特別の効果をもたらすものであるかを、定期的に考えなければなりません。

 というのも、それらを権利化しても、年金(権利を維持するための特許庁へ支払う維持料金) が発生します。
 通常、この年金費用は、維持する年数に応じて、支払う料金が上昇するカーブとなっています(最初の数年間は低額に設定されていますが、数年後からだんだん費用が高くなるので、費用対効果を考慮する必要があります)。
 必要でない権利と判断した場合、権利維持するための年金の支払いを止めて、権利存続期間満了前でも権利を放棄します。


3)知的財産の ポートフォリオの組み入れ・組み換え
よほど、絶大な影響のある基本特許・必須特許等でない限り、一件の特許等で一発当てようという発想ではなく、狙うべき市場(ニッチな市場でも独占できれば大きな利益に)を包括するような、様々なアイデア、技術、デザイン等を用いて、その市場での知的財産権のバリアを築いて行けるように、知的財産への組み入れ・組み換えなども怠りなく、注力した方がよいと考えられます。


知的財産をうまく活用し、このような循環により事業・経営に好循環をもたらした中小企業様の例が、よくテレビやマスコミ等に取り上げられている場合が多いと感じています。

以上





 
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